こんにちは!
前回は愛宕山に登らずして愛宕山についてのブログを作ってしまったサトです。
今度は岩田山に実際に登ってみました。
愛宕山の落語を何席か聴いた中に、桂文枝のが有りまして、「猿後家」という噺も収録されていました。
その落語の主人公で、大きな商家の未亡人の前では、猿、という語が禁句になっていました。
そっくりだからです。
私も毎朝髭を剃るため見たくもない自分の顔を鏡に映すとき、猿に似ている、と思います。
加齢とともに小皺が増し、職業柄、日に焼けて赤黒くなり、ますます猿に近づいて来たようです。
私が歯を剥いて怒ると、威嚇している猿以外の何物でもないでしょうね。
猿は笑わないので、猿に似ないためにも、出来るだけ笑っていたいと思います。ヒヒ。
さて、嵐山モンキーパークいわたやま、の入り口です。

ここからは、旅チャリを置いて、標高160メートルの展望台を目指す登山道です。
入場券売り場に、映画のチラシが積んでありました。
この秋公開のアメリカ映画、「猿の惑星 創世記ジェネシス」です。
あの1968年の第1作は、私にも忘れられない印象を残しました。
猿たちのモデルは、原作者のフランス人にとっては、日本人であったという裏話のあることはご存じですか?
インドシナを植民地として有色人種を支配していたフランス人が、大戦中日本軍の捕虜となった体験が下地に有るんだそうです。
ただ映画を観る限りは、人間という種全体への警鐘としか感じられません。
いつまでもヒトの惑星だと思い上がっていると、しっぺ返しを食うぞ、と言われているようです。
登山道は、盛んなる蝉の合唱に満ちていました。
クマゼミにミンミンゼミ、帰り道ではカナカナも加わって、夏の讃歌を謳い上げます。
猿より前に、人間の家族と数多く出会いました。
ここ岩田山では、ヒトの赤ちゃんを見ても、かわいい、と声に出して言わないようにしましょう。
親が、こいつ猿と較べてるな、と気を悪くするかも知れません。
ヒトというのは極めてデリケートな動物ですから。
展望台からは京都市内の景色が楽しめます。
遥か東方に比叡山がそびえています。
岩田山の群れを離れた若いオスの猿が比叡山の群れに加わっていたことが、観察されているそうです。
大いなる猿の旅路です。
この春に誕生したニホンザルの赤ちゃんが、母ザルのおっぱいを口に含んでいるところが見られただけでも、汗だくで山を登った甲斐がありました。
授乳中の母親猿の背後に、もう一匹の猿がいて、毛づくろいをしてやっています。
ふけやサルシラミのたまごを、毛を掻き分けながら取り除くんですが、されている方はとても気持ちが良さそうです。
乳首を子に吸われ、他の猿に背を撫でられている母親の猿は、笑いこそしませんが、幸せそうにうっとりとしていました。
こちらも幸福の感情を伝染されるようです。
この、授乳している猿の背にまわって、毛づくろい、グルーミングしている猿は、多分メスの猿だと思います。
日本の霊長類学は、研究者が猿の一匹一匹を識別し、名前を付け、個性を認めることで飛躍的な発展を遂げたと言います。
研究員の腕章を巻いた人に尋ねても良かったんですが、忙しそうにフィールド・ノートを記入しておられたので、気が引けました。
実は私にはオスだかメスだか分かりません。
オスだとしても、子猿の父親の可能性は有りません。
ここ岩田山の猿の群れの研究から、非交尾期に親和関係にある雌雄は、交尾の時期には離れて、交尾を避けるという事実が発見されているそうです。
立花隆の「サル学の現在」に紹介されています。
この「サル学の現在」という本、最近読みました。20年も以前の本なんで、「現在」でも何でもないでしょうが、私には大変新鮮な驚きでした。
ヒトである以上は、ヒトがどこまで進んだ知識を獲得しているのかに、興味を抱くべきなんでしょうね。
しかし、この本刊行後の20年で、更なる知識の増進が有ったにせよ、仕方ないことです。
なんといっても私個人の知識は、20世紀は愚か、ルネサンス以前、中世の暗黒時代程度なんですから、リアルタイムで科学の発展に付いて行かれるわけがない。
でも、ヒト全体の知識が、今でも時々刻々増えていっている、と考えることは、ヒトの一員として悦ばしいことではあります。
我々のご先祖様は、熱帯雨林の樹上の生活を捨てて、2本の脚で大地をしっかりと踏みしめました。最初はごく少数からだったんでしょうが、やがて地球をヒトの惑星にしてしまいました。
現代人も、やがては、多くが進化的に先に行った少数者、仏陀やキリストやマホメットなどの精神力を持つに至り、宇宙に拡がって行くのかも知れないと思います。
えーっ、このブログにも最後何か俳句を置いて、ピリオドとしたいのですが、いい案が出ません。

さるすべりの花が咲いていました。
この樹の幹や枝はつるつるとしているので、猿でも滑るそうです。だから、さるすべり。
それから、ニホンザルは、自転車に乗ることが出来ます。
インターネットで検索しますと、自転車に乗る猿の動画をたくさん見ることが可能です。
私より、よほど上手に乗るみたいです。
さるすべり猿滑り旅チャリで去る
posted by 旅チャリスタッフ at 06:00| 京都 ☁|
嵐山エリア
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